数年前は、同級生の自衛隊の幹部とよく飲みに行き、いつも酔うとリーダー論を聞かされたものでした。
組織の運用に関してなるほどなあと思うことも多くあり、軍隊に学ぶものは多いと思ったので、ありがたく使える部分は、中小企業の社長さん向けのセミナーでは使わせてもらってます。
あまり考えたくはありませんが、例えば有事のとき。
訓練などしたことがない、想定しない状態が起こった時、指揮官としてはどうするか? と聞いてみました。
答。
まずは「笑う」そうです。
自衛隊でも笑顔は大事だとか。
つまり、あたふたした指揮官をみると、部下は一気に不安になり士気が下がります。
まして、自分を失って怒鳴り散らしたりする指揮官などは全く信用されません。
変なお話ですが、「笑顔」がいい指揮官は下からも慕われ、「この人のためなら死んでもいい」と思うそうです。
まあ、これはちょっと大げさかもしれないとは言ってましたが。
自衛隊も組織です。組織や会社というものは、一般社団であろうが、株式会社であろうが、任意のグループであろうが、やはりスタッフのみんなは常にトップの顔を見るものです。
そして、まあ、だいたいは、「ドン」と構えていてほしいと思っているものです。
スタッフのがその組織を愛していて、そこで働いたり、その仕事が好きだったら、なおさらその気持ちが強くなります。
なので、リーダーたるもの、「ドン」と構えていてほしいです。
いろんなリーダー像があり、もちろん個性は千差万別ですが、成功している社長さんをみていると共通点があります。
組織の小さいうちは先頭を切って走る社長は多いです。
でも、そこそこの規模になってもそれをやっていると、なかなか前に進まなくなります。
これをいわゆる3億の壁、5億の壁などという人もいます。
僕は自分自身の会社では年商3億までの経験しかありません。
見事に壁に当たりました。
なので今はやり方を変えています。
古いお話ですが、旧帝国海軍の山本五十六連合艦隊司令長官の有名な言葉。
「やって見せ、やらせてみてから、ほめてみる」。
手本を示し、信じて任せる、できたらほめる、ダメだったら責任はとる。
とにかく部下が仕事をしやすいように、すべきことを整理して、前に進める、的確な指示を出す。
サーバントリーダーシップの変形という感じですが、僕はこれをおススメしています。
これがうまくいっている会社は、この仕組みも上手く機能しています。
でも。。。ひとつだけ気をつけること。
トップ自ら、あえて苦手なことはしなくていい。
しっかりと機能している組織や会社は、組織の動かしかたを分業しています。
その方が効率や時間短縮につながります。
社長が前を進むタイプなら、とにかく手本をたくさん示して、後は任せる。
ほめるのが苦手な社長だったら、他の幹部がほめ役になる。
任せるのが不安な社長は、ルールを創って定期的に報告させる。
手本を示すのが苦手だったら、誰かにさせてほめる役割に廻る。
完璧な人はなかなかいません。
成功している社長ほど、このあたりのさじ加減がとても上手いです。
もちろん、誰もまねのできないスキルや、資質、カリスマ性などを持たれていらっしゃる社長さんもいらっしゃいますが、組織を動かす基本はみんな同じ。
さて、ルーキー社長さん。
これからは法人の代表として、たくさんのことを経験されると思います。
でも。。。まあ、その経験を目一杯楽しみましょう!
小さな会社の、ちょっとだけ先輩社長の僕からあなたへ3つの言葉を贈らせて下さい。
「一喜一憂しない」。
「初心を忘れない」。
「後ろや下を見ない」。
この3つは、日頃僕が心がけていることです。